プライオボールの握り方講座 ― 野球のボールの持ち方は一旦捨ててください
プライオボールを始める人が最初につまずくのが「握り方」です。結論から言います。
普通の野球ボールを持つときの握り方(指先で縫い目を探して握る、いわゆる四縫い・二縫いの持ち方)は、プライオボールでは一旦忘れてください。
意識するのは「鷲掴み」です。
なぜ野球ボールの握り方をやめるべきなのか
普段の投球では、指先の感覚が命です。縫い目に指をかけて、微妙な力加減でボールを操作する。これが野球のボールの持ち方です。
でもプライオボールは、そもそも投げるためのボールじゃありません。フォームを作るためのボールです。ここを勘違いすると、握り方も投げ方も全部ズレていきます。
指先中心の握りでボールを操作しようとすると、こうなります。
- 重さを指先の力で誤魔化してしまい、ボール本来の重さを感じにくくなる
- 使う筋肉が指先・前腕に偏り、肘に余計な負担がかかる
- 「フォームを作る」のではなく「うまく投げる」ことが目的になってしまう
これでは、プライオボールを使う意味がなくなってしまいます。
鷲掴みで持つ理由
プライオボールの握り方比較
ボタンで切り替えて、手のひらとボールの接触面積の違いを見比べてみてください。
鷲掴みにする理由は大きく2つです。
1. プライオボールの重さをより感じられるから
指先だけで持つと、無意識に握り込んで重さを支えてしまい、本来感じるべき「重さそのもの」がぼやけます。鷲掴みで手のひら全体を使うと、指先の力に頼らずに済む分、ボールの重さがダイレクトに身体に伝わってきます。この「重さを感じる」ことこそが、プライオボールを使う一番の目的です。
2. プライオボールは投げるためではなく、フォームを作るためのボールだから
野球のボールの握り方は「うまく投げる」ためのものです。でもプライオボールで目指すのは、うまく投げることではなく、正しいフォーム・正しい身体の使い方を作ることです。指先で操作できてしまうと、悪いフォームのままでも器用に投げられてしまい、フォームの矯正になりません。鷲掴みにすることで、指先の器用さに頼れなくなり、否応なく身体全体でボールを運ぶしかなくなります。それがフォーム作りに直結します。
重さ別の握り方のニュアンス
- 1kg・500g(重いボール):鷲掴みで完全に手のひら全体を使う。指先の力はほぼ要らない。下半身と体幹の動きだけでボールを運ぶ感覚。
- 300g・200g:鷲掴みをベースにしつつ、少しずつ指のかかりを意識し始める。ただし握り込みはしない。
- 150g・100g:普段の投球に近づく重さだが、それでも指先で縫い目を探すような握りには戻さない。あくまで手のひらでボールを保持したまま、腕が振られる感覚を確認する。
重い順に投げていく理由の一つは、この鷲掴みの感覚を先に身体に入れておくことにもあります。軽いボールから入ると、つい普段の握り方に戻ってしまいがちだからです。
握り方が投げ方に与える影響
握り方を変えるだけで、投げ方は驚くほど変わります。
指先で操作しようとすると、必ず「腕を振る」意識になります。逆に鷲掴みで保持するだけの意識だと、腕は振るものではなく「振られるもの」になっていきます。
これは以前書いた「腕を振るんじゃなくて、腕が振られる感覚」にそのまま繋がっています。握り方は、その感覚を作るための入り口です。
まとめ
- 野球ボールの握り方(指先・縫い目中心)は一旦忘れる
- 鷲掴みで、手のひら全体を使って保持する
- 鷲掴みにする理由は「重さをより感じるため」「プライオボールは投げるためではなくフォームを作るためのボールだから」
- 重いボールほど鷲掴みを徹底し、軽くなっても戻さない
- 握り方が変われば、投げ方(腕が振られる感覚)も変わる
握り方から見直すだけで、プライオボールの効果はまったく変わってきます。まずは鷲掴み、そこから始めてみてください。
注意:重いボールを使ったトレーニングには怪我のリスクも指摘されています。無理のない重さ・回数で、正しいフォームを確認しながら行うことを前提にしてください。


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