💪 「上半身を鍛えれば球速が上がる」は、半分正解で半分間違い。
正しい種目を、正しい意識で鍛えなければ
いくらベンチプレスの重量が上がっても球速には繋がりません。
最速152kmを記録した私が上半身トレーニングで一貫して意識してきたのは「投球フォームとの連動性」です。
土台(最大筋力)を作り、投球に使える筋力へと変換する。
この2段階が上半身トレーニングの全てだ。
この記事では、科学的根拠とともに誰もが球速アップに直結できる上半身トレーニングを完全解説します。
- 📋 この記事でわかること
- 🗺️ 上半身トレーニングの全体設計図
- 🏋️ Layer 1-① ベンチプレス|最大筋力の土台を作る
- 🏋️ Layer 1-② デッドリフト|全身連動の幹を作る
- 🏋️ Layer 2-① ダンベルプレス|投げる腕とグローブ腕を分離して鍛える
- 🏋️ Layer 2-② ショルダープレス|頭上への爆発力を鍛える
- 💪 Layer 2-③ ラットプルダウン&ローイング|肩甲骨を完全に使い切る
- 🛡️ Layer 3-① インナートレーニング|ローテーターカフで肩を守り・球速を上げる
- 🔴 Layer 3-② チューブリズムトレーニング|投球動作に直結した神経系強化
- 📅 実際の週間トレーニングプログラム例
- 📋 まとめ|上半身トレーニングで球速を上げる3つの鉄則
📋 この記事でわかること
- ✅ 上半身トレーニングの全体設計図
- ✅ 土台種目①:ベンチプレス(最大筋力の構築)
- ✅ 土台種目②:デッドリフト(全身連動の幹)
- ✅ 投球特化①:ダンベルプレス(投げる腕とグローブ腕の分離トレーニング)
- ✅ 投球特化②:ショルダープレス(頭上への爆発力)
- ✅ 投球特化③:ラットプルダウン&ローイング(肩甲骨の完全活用)
- ✅ インナートレーニング:ローテーターカフ(肩を守り・球速を上げる)
- ✅ チューブリズムトレーニング(投球動作と直結した神経系強化)
🗺️ 上半身トレーニングの全体設計図
上半身トレーニングは3つの層で構成します。
| 層 | 目的 | 主な種目 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| Layer 1|土台 | 最大筋力の構築 | ベンチプレス・デッドリフト | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| Layer 2|投球連動 | 投球動作に使える筋力へ変換 | ダンベルプレス・ショルダープレス・ラットプルダウン・ローイング | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| Layer 3|保護&神経系 | 肩を守り・投球フォームに落とし込む | インナートレーニング・チューブリズム | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
⚠️ 重要:Layer 1だけやっても球速は上がらない。
土台を作った上で、Layer 2・3で「投球に使える筋力」に変換することが必須です。
3層全てを組み合わせて初めて球速アップに直結します。
🏋️ Layer 1-① ベンチプレス|最大筋力の土台を作る
まず最大筋力を求めていい。これが私の考えです。
ベンチプレスで鍛えられる大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋は、
投球時のボールリリースの瞬間に爆発的に収縮する筋肉群です。
💡 科学的根拠:
野球の投球動作の研究によると、肩の内旋角速度は約5000〜8000deg/sにも達することが確認されています。
この爆発的な内旋を支えるための「最大筋力の土台」がベンチプレスで構築できます。
土台なくして爆発力なし。まず最大筋力を上げることが全ての始まりです。
⚠️ 野球選手のベンチプレスの注意点:
大胸筋が発達しすぎると動作の邪魔になるという声が多いのも事実です。
しかし小胸筋や大胸筋に柔軟性があると肩甲骨も動かしやすく、テイクバックが大きく取りやすくなるメリットもあります。
「鍛える+柔軟性を同時に保つ」が野球選手のベンチプレスの正解です。
意識ポイント
- 🔑 肩甲骨を寄せてベンチに固定する:肩甲骨を寄せて背中のアーチを作ることで肩への負担を最小化し、大胸筋への刺激を最大化
- 🔑 バーの軌跡は斜め:真下に下ろすのではなく乳頭部付近に向けて斜めに下ろす
- 🔑 地面を踏む:脚で地面を押すことで全身連動が生まれ、より大きな力を発揮できる
- 🔑 最大筋力を求める:3〜5回×5セットの高重量セットで最大筋力を追求する
| 目的 | 回数×セット | 重量目安 | 休憩 |
|---|---|---|---|
| 最大筋力 | 3〜5回 × 5セット | 3〜5RMの高重量 | 3〜5分 |
| 筋肥大 | 8〜12回 × 3セット | 8〜12RMの中重量 | 1〜2分 |
🏋️ Layer 1-② デッドリフト|全身連動の幹を作る
デッドリフトは下半身編でも紹介しましたが、
上半身的な視点でも「広背筋・僧帽筋・脊柱起立筋という投球の幹を一気に鍛える」最強種目です。
投球において広背筋は「腕を加速させる最大のアクセル筋」です。
テイクバックから一気に腕を前方に引き出す際に爆発的に収縮し、
広背筋の強さが直接球速に影響します。
意識ポイント(上半身視点)
- 🔑 広背筋で「バーを体に引きつける」:引き始めに広背筋を収縮させてバーを脛に沿わせる感覚
- 🔑 肩甲骨を下制する:肩を耳から遠ざけて肩甲骨を下げることで広背筋が最大活性化される
- 🔑 握力を鍛える効果も:高重量デッドリフトは握力強化にも直結し、ボールへの最終出力が上がる
🏋️ Layer 2-① ダンベルプレス|投げる腕とグローブ腕を分離して鍛える
バーベルのベンチプレスと違い、ダンベルプレスには野球投手にとって決定的なメリットがあります。
投球動作において、投げる腕とグローブ側の腕の使い方は根本的に違う。
投げる腕:爆発的な内旋・加速
グローブ腕:引きつけ・体幹安定・ブレーキ
バーベルは両腕が連動して動くため、この「左右非対称な動き」を鍛えられない。
ダンベルを片手ずつ扱うことで、投球フォームに即した筋力が身につく。
また、バーと違い重りの軌道が不安定になりやすいダンベルを使用することで肩周りの補助筋群(インナーマッスル)が同時に鍛えられます。
ダンベルプレスのバリエーション
- 💪 フラットダンベルプレス:大胸筋中部・三角筋前部の基本種目
- 📐 インクラインダンベルプレス(30〜45度):大胸筋上部・三角筋前部を強化。投球のリリース姿勢に近いプレス角度
- ✋ 片手ダンベルプレス:投げる腕単独で鍛える。投球腕の筋力と安定性を直接強化
意識ポイント
- 🔑 左右独立して動かす感覚を持つ:右腕と左腕でそれぞれ異なる意識を持って動かす
- 🔑 手首を固定する:手首が曲がると肩へのストレスが増加。常にニュートラルに
- 🔑 重量:5〜15kgで10〜12回×3セット、1〜1分30秒の休憩が目安
🏋️ Layer 2-② ショルダープレス|頭上への爆発力を鍛える
ショルダープレスは「肩・腕の筋肉の最大筋力向上」に最も効果的な種目です。
オーバーヘッド系競技スポーツのパフォーマンスを向上させるためのトレーニングとしても有効で、
投球の「テイクバックからリリースへの加速フェーズ」に直接関与する三角筋・上腕三頭筋・僧帽筋を鍛えます。
バリエーション別の特徴
| 種目 | 特徴 | 投球への効果 |
|---|---|---|
| バーベルショルダープレス | 高重量を扱いやすい・左右均等に鍛える | 最大筋力の構築 |
| ダンベルショルダープレス | 可動域が広い・左右独立で鍛えられる | 投球腕の単独強化 |
| 片膝立ちショルダープレス | 下半身と体幹の安定が必要 | 投球姿勢に近い体幹連動 |
| ケーブルショルダープレス | 常に負荷がかかり続ける | 筋持久力・安定性の向上 |
意識ポイント
- 🔑 下半身と体幹はブレないように安定させる:体幹が揺れると肩に余計な負荷がかかり故障リスクが上がる
- 🔑 肩と腕の筋肉で押す:首に力が入り過ぎないように意識
- 🔑 肘が耳の横に来るまで上げる:可動域を最大限使うことで三角筋全体が鍛えられる
💪 Layer 2-③ ラットプルダウン&ローイング|肩甲骨を完全に使い切る
この2種目が上半身トレーニングの中で最も球速アップに直結する種目だと私は考えています。
理由は一つ。「肩甲骨の動きが投球フォームの質を決めるから。」
肩甲骨と球速の関係
肩甲骨が動かないと何が起きるか
- ❌ テイクバックが小さくなり加速距離が短くなる
- ❌ 腕のしなりが生まれず「手投げ」になる
- ❌ 肩関節に直接ストレスがかかりケガのリスクが上がる
肩甲骨が正しく動くと何が起きるか
- ✅ テイクバックが大きくなり加速距離が伸びる
- ✅ 広背筋が腕を爆発的に引き出せる
- ✅ 肩関節への負荷が分散しケガが減る
ラットプルダウンの正しいやり方
ラットプルダウンは広背筋・僧帽筋下部・菱形筋・大円筋を鍛える最重要種目です。
- 🔑 息を吐きながら肩甲骨を寄せるイメージでバーを引く:胸を張りつつ肩を下げ、肘を腰骨に近づけるように引く
- 🔑 バーが鎖骨に当たる直前まで引く:可動域を最大限使う
- 🔑 腕の力で引かない:広背筋が働いている感覚を常に確認。腕力優位になると背中への刺激が半減する
- 🔑 重量より質:重すぎると反動を使ってしまい広背筋への刺激がなくなる
ローイングの正しいやり方
ローイングは肩甲骨の「引き寄せ」動作を鍛える種目で、
投球のテイクバック→リリースへの「腕の引き出し動作」に直結します。
- 🔑 肩甲骨を寄せてから腕を引く:「肩甲骨先行・腕後行」が正しい動作順序
- 🔑 引いた頂点でキープ:肩甲骨が完全に寄った状態で1〜2秒保持すると効果が増す
- 🔑 体幹が回旋しないように:体が回転してしまうと背中ではなく体幹で引いている状態になる
⚾ 球速との直結ポイント:
ラットプルダウンとローイングで鍛えた「肩甲骨の使い方」は、
投球のテイクバックの大きさとリリースの爆発力に直接反映されます。
この2種目を丁寧にやり込むだけで、投球フォームが劇的に変わる体験をする投手が多いです。
🛡️ Layer 3-① インナートレーニング|ローテーターカフで肩を守り・球速を上げる
インナートレーニングを「地味でやらなくていい」と思っていませんか?
ローテーターカフが弱い = 肩の安定性がない状態で投げている。
これが故障の最大原因であり、球速が上がらない原因でもある。
ローテーターカフ(回旋筋腱板)とは肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの深層筋の総称です。
| 筋肉 | 役割 | 投球との関係 |
|---|---|---|
| 棘上筋 | 肩関節の外転補助 | テイクバック時の腕の安定 |
| 棘下筋 | 肩関節の外旋 | 最大外旋(割れ)の動作を担う |
| 小円筋 | 肩関節の外旋・安定 | 棘下筋を補助・肩の保護 |
| 肩甲下筋 | 肩関節の内旋 | リリース時の爆発的な内旋動作 |
ローテーターカフのトレーニング種目
- 🔴 チューブ外旋トレーニング:肘を体の横に固定してチューブを外側に引く。棘下筋・小円筋を強化
- 🔵 チューブ内旋トレーニング:肘を体の横に固定してチューブを内側に引く。肩甲下筋を強化
- 🟡 ダンベルサイドライイングエクスターナルローテーション:横向きに寝てダンベルを外旋。棘下筋に直接効く
- 🟢 キューバンプレス:外旋をしながら肩を動かす種目。投球動作に最も近いインナー系トレーニング
💡 重要な知見:
ベンチプレスやチンニングなどで大胸筋・広背筋が発達すると肩関節を内旋させる力が強くなり巻き肩になる可能性があります。
外旋筋(棘下筋)を鍛えることでバランスを取ることができ、投球動作における肩関節の内旋・外旋パワーのバランスが球速と故障予防の両方に影響します。
🔴 Layer 3-② チューブリズムトレーニング|投球動作に直結した神経系強化
チューブリズムトレーニングは単なる筋力トレーニングではありません。
野球の動きに合わせて筋肉を鍛えられるトレーニングチューブは、
バッティングやピッチングを上達させるための理想的なトレーニング器具です。
チューブは伸ばしている間ずっと負荷がかかり続けるため、
「投球動作の軌道そのままに負荷をかけながら動く」ことができます。
チューブリズムトレーニング種目
- ⚡ チューブ投球フォームシャドー:チューブを引きながら投球動作をそのまま行う。実際の投球と全く同じ神経回路が使われる
- 🔄 チューブ外旋→内旋リズム:外旋→内旋をリズムよく素早く繰り返す。投球時の肩の回旋スピードを鍛える
- 🦋 チューブ肩甲骨ストレッチ:体を丸めた状態から腕を後ろに回し、戻した時も体を丸める。肩甲骨の可動域を拡大
- 💪 チューブウォームアップ:投球前のルーティンとして使用。肩の血流促進・神経系の活性化
リズムトレーニングで特に意識すること
- 🔑 「速さ」を意識する:ゆっくりではなくリズムよく素早く動かすことで投球に近い神経系が鍛えられる
- 🔑 肩甲骨を使う:腕だけで動かさず肩甲骨が先行して動くことを意識
- 🔑 投球前のルーティンにする:試合・練習前のウォームアップに組み込むことで効果が倍増
📅 実際の週間トレーニングプログラム例
| 曜日 | 種目 | Layer | 目的 |
|---|---|---|---|
| 月曜 | ベンチプレス + ダンベルプレス | 1 + 2 | 最大筋力+投球腕強化 |
| 火曜 | デッドリフト + ラットプルダウン + ローイング | 1 + 2 | 広背筋・肩甲骨強化 |
| 水曜 | インナートレーニング + チューブリズム | 3 | 肩の保護+神経系 |
| 木曜 | 休養 or 軽い投球練習 | — | 回復 |
| 金曜 | ショルダープレス + ケーブル種目 | 2 | 三角筋・投球加速筋 |
| 土曜 | 全種目軽め + チューブリズム | 2 + 3 | 動作確認+活性化 |
| 日曜 | 完全休養 | — | 超回復 |
📋 まとめ|上半身トレーニングで球速を上げる3つの鉄則
- ✅ まずLayer 1で最大筋力の土台を作る:ベンチプレス・デッドリフトで土台なくして爆発力なし
- ✅ Layer 2で投球動作に使える筋力に変換する:ダンベル・ショルダープレス・ラットプルダウン・ローイングで左右非対称・肩甲骨の動きを鍛える
- ✅ Layer 3でインナーと神経系を整える:ローテーターカフ+チューブリズムで肩を守り・投球フォームに落とし込む
土台を作り、投球に使える筋力に変換し、
神経系に刻み込む。
この3層が揃った時、球速は確実に上がる。
📣 重量を追うだけでは球速は上がらない。
投球フォームと連動した筋力を作ることが全てです。
次回は体幹トレーニング編をお届けします⚾

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